1.二酸化炭素の回収・固定化
二酸化炭素はGibbsエネルギーの観点から炭酸カルシウムとして固定化するのが有効である.二酸化炭素を用いてセッコウ,コンクリート廃材などから炭酸カルシウムの合成を行っている.さらに,石灰石から二酸化炭素を回収することを研究している.さらには,炭酸カルシウムを用いた建材についても研究を行っている.
2.超音波を用いた液相反応
超音波を水中に照射すると,撹拌よりも反応速度を速めることができ,それにより微細な粒子を得ることができる.このことを利用して,これまでに炭酸カルシウム,水酸アパタイトのナノ粒子の合成に成功している.研究室内に防音室を作り,その中で研究を行っている.
3.太陽光利用
太陽光エネルギーを熱として利用したほうが発電するより効率がよい.1m×1.4mのフレネルレンズを用いて太陽光を集光すると2000℃に達することができる.てっぴゅんも一瞬で融解する.このフレネルレンズを用いてまずはセッコウボード廃材を脱水することを行い,成功した.今後はフレネルレンズと炭酸カルシウムを組み合わせた研究を行う.
4.廃棄物および未利用物の再資源化
建物を壊す際にコンクリート廃材,セッコウボード廃材などが発生する.これらを元の原料あるいは新しい材料として再資源化することを行っている.一例としては,セッコウボード廃材中の二水セッコウを大形化することに成功している.
5.テンプレートを使用した球状中空粒子の合成とその触媒への応用
規則性構造体の1つである球状中空粒子に着目し,種々の金属や金属酸化物についてナノレベルで規則的な形状や構造を持つ材料をデザインし,燃料電池などに使用する水素の製造,二酸化炭素から有用物質の合成,一酸化炭素などの不純物除去などへの応用をめざし,その触媒機能に対する影響を系統的に研究している.